議事録について


会議録を作成するに当たって、まず注意しなければいけないことは、会議で行われた議事をいかに正確に記録するかということに尽きます。それは、会議録に求められる証拠性と言っていいでしょう。 しかし、だからといって、その場で語られた言葉をありのままに記録すればいいかというと、必ずしもそうではありません。会議録の持つもう一つの側面、広報性にも留意する必要があります。つまり、会議の内容が広く社会に認知され、情報としてその会議に関係する者が共通認識を持ち、次の議論の土台を形成することができる、そこにこそ会議録としての新しい価値が生まれるのではないかと考えます。

このことを実現するため、会議録を作成するには幾つかの共通ルールを設けております。 まず第1に、用字を統一します。これは言葉の持つ概念を共通にするものです。私たちは、国会会議録用字例を基本とした(社)日本速記協会発行の「標準用字用例辞典」をもとに会議録を作成します。

第2に、整文または修文と言われる作業を行い、倒置表現や無意味語の整理、話し言葉をある程度整えます。しかし、何より大事なことは、発言者がイメージされてその会議録を読まれることが理想ですから、話し手の特徴やそのときの感情、思いをいかにして文字化するかということにも気を配りつつ、その上で文章として最も読みやすく、なおかつ聞き手が理解して対話なり討論が成立するという限定的な範囲で記録を作成しなければなりません。

そこで、第3として、私たちは、できる限り現場立会させていただき、音源だけでは捉え切れないその会議へのありさまを体感した上で記録作成に臨むことに努めています。
正しい会議録、より質の高い会議録とは何か、これは私たちの永遠のテーマです。あらゆる会議の現場、さまざまな分野のテーマに直面して、いかにしてその記録をとどめるかという課題にこれからも挑戦する決意です。